|
 |
 |
「10代目ぇ―――っ!」
「るせぇ野球馬鹿!!」
「何でアネキがフゲ――!!」
いつも騒がしい彼は、僕の嫌いな群れる人間。
「ゲッ……ヒバリ。」
僕を見ると、不機嫌な顔をする。
下校時間。
今日はいつにも増してイライラするから、すぐに帰ろうと思った時だった。
「はひ〜〜っすみません〜〜っ!」
他校の制服を来た女子が、僕に駆け寄って来た。
「新体操の練習試合に来たのですが……久しぶりで体育館の場所が分からなくて……。」
申し訳なさそうに言う女子に、「あっち。」と指で教える。
「あ…ありがとうございま……。」
「ハル!!」
背後から聞こえた声に、不覚にも内心喜んでしまった。
「……獄寺さん!?」
「……何してんだよ、オマエ……。」
珍しく、沢田のコト以外で焦っている彼を見て、胸が痛む。
「この人に、体育館の場所を聞いてました!」
「…………。」
僕は暫く睨んでくる彼と視線を交わした。
「……行くぞ。」
「はっ、はひ!?」
彼は僕が彼女を虐めていたのでも思ったのだろうか。
彼女の持っていたカバンごと彼女を引っ張って行ってしまった。
「(おもしろくない……。)」
この頃、自分の気持ちに気付いてしまった僕は、やるせない気持ちにかられた。
例えば。
例えば特定の人間を目で追ってしまっていて。
例えばその特定の人間が他の草食動物と群れていて。
例えば他の草食動物たちが群れている時とは、別の感情…イライラを抱いてしまうとしたら……何故かな?
そう、草壁に聞いてみた。
『それは“恋”をしているとしか言えませんね。“ヤキモチ”、と言うヤツですよ。
まっ…まさか委員長!!委員長は恋をブッ!!』
“何故か”死んだ草壁を足蹴にして、僕は自分なりに結論を出した。
そうか。僕は彼に恋をしているんだ。
だから“ヤキモチ”を妬いて、イライラしているんだ。
てコトは、彼は僕のモノだろ?
僕は彼が好きなんだから。
僕が好きとか欲しいと思ったモノは、全部僕のモノだ。
うん、そうだ。絶対そうだ。
その後、生き返った草壁に、それは少し間違っていると嗜められたが、僕は彼が好きだから、彼が僕以外の人間と群れるのは気に喰わない。
さっきの他校の女子は多分、ただの友達だと思う。
彼女自身は、彼が好きだというワケではなさそうだから、一先ず安心だろう。
……ココで、本題だ。
僕が1番敵視している存在。
「よぉ!獄寺。一緒に帰ろーぜっ!」
何かしら“僕の”彼に触りまくっている、野球馬鹿。
「触んな!ウゼェ!!」
「いーじゃねぇかよ、別に!……ん?」
「あ゙?……ゲ、ヒバリ。」
どうしてそんな顔をしたり声を出したりするの。
僕が、傷付かない人間だとでも思ってるの?
「あまり僕の前で群れないでくれるかな。」
「……っと。」
身の危険を感じたのか、野球馬鹿は潔く手を彼の肩から離した。
「…っにしに来たんだよ、テメェは!!」
また、僕を睨む彼に胸が痛む。
「隼人。」
「んだよ!?……って、はあぁ!?」
僕が隼人の名前を呼んだのが、余程の驚きだったらしい。
口をパクパクさせて、動かない。
「何か文句でもある?」
トンファーを構える。
そしたら我に帰った隼人は、ダイナマイトを構えた。
「……僕は君が好きなんだよ。だから、僕に逆らうコトは許さないから。」
「うぇえ!?」
ポロッとまだ火が着いていなかったダイナマイトが地面に落ちた。
隼人も野球馬鹿も、目を丸くして僕を凝視している。
「……何、その目。」
「イヤ…獄寺。帰ろうぜ。」
ガッ!!
「僕の隼人に触るな……。」
「いつオマエのになったよ!?」
「そうだぞ!!獄寺は俺のだ!!」
「それも違う!!」
隼人は必死に否定している。
僕は、それよりも野球馬鹿の方が気に喰わない。
「君はさ、隼人の何なの?」
「(何でコイツはさも俺を自分のモノように……?)」
隼人がそんなコトを思っているとはつゆ知らず、僕と野球馬鹿はバトルを始めた。
「ななっ…何してんの!?」
「10代目ぇ!!vV」
突如現れた沢田に、飛び付くように近寄った隼人。
「……ちょっと。」
「オイ!ヒバリ!?」
野球馬鹿を放っといて、今度は沢田を標的に。
「10代目には手ェ出させねぇぞ!!」
ゴッ!!
「痛ぇ―――っ!!何すんだテメェ!!」
「僕以外の男と馴れ合うなって言ったよね。」
「初耳じゃボケェ!!」
「ねぇ山本。コレ、何の騒ぎ?」
「さぁなぁ。何か、ヒバリは獄寺を好きらしいぞ。」
「え゙ぇ!?」
「……何かこの調子で行くと、獄寺といるといつか殺されそうだよな。」
「うん……そうだね。」
僕はこれからも、隼人を僕ダケのモノにする為に、頑張るからね。
END
反省会。
ヒビキミトリ様より、4100HITキリリクで、自己中な焼きもちをやく雲雀→獄でした。
まだ付き合う前の、自分の気持ちに気付いたばかりの雲雀様。
雲雀様は、誰かのチカラを借りないと、自分の恋愛感情に気付けません。むしろ認めません。
…そんなカンジであってほしい。(何じゃそりゃ)
ヒビキ様、この度はリクして頂き、誠にありがとうございました!!
あわわ、空地様素敵小説有難うございました!
こんな無礼者がキリ番踏んだ上にリクをしたためにとんでもない設定でかかせてしまって・・・。申し訳ないやら嬉しいやら。いや、めがっさ嬉しいです(土下座)
空地様の書く雲獄の素敵っぷりは文章で表せ切れないくらい大好きです!!嫉妬深い雲雀様最高!それに振り回される苦労性の獄にラブです!
今回は本当にわがまま聞いてもらって有難うございました。
(空地様の素晴らしき雲獄小説サイト「真っ黒な薔薇」はこちらから)
|
|
|
|