「えっと・・・今日からお世話になります、獄寺隼人です!みなさん、よろしくお願いします」


ペコリ。大きい頭を下げるとハヤトは黒板の前で挨拶をした。

此処は並盛中学校のツナのクラス。
あーだーこーだの、なんたらかんたらでどういうわけだかツナの学校に転入してきた天才少女は、挨拶をしたあとに見覚えのあるツナの顔を見て両手を大きく振った。


「じゅーだいめーーー」


少しでも目立とうと両手をバタバタ振って存在をアピールする。
担任の教師は困った顔を浮かべていたが他のクラスメート達は小さな転入生に微笑ましいという表情を浮かべていて好意的だ。だが、このままでは埒が明かない。

きっと彼女はツナが何かのアクションをするまで止まらないだろう。
そう思ったツナは小さく手を振ると苦笑した。


「なんだ、ツナ。あの転入生の知り合いなのか?」
「あーなんか・・・遠い親戚?」


咄嗟の時用に考えていた良いわけを口に出す。
マフィアとか何とか・・・それこそ出会いから説明してたら疲れる。ツナはそう考えていたのでクラスメートである山本にも適当に答えた。


「ツナの親戚か。でもあんなに小さいのに飛び級とかって・・・。お前に似ずに頭良いんだな」
「う、うんまぁね」


ツナに似ずっていうか、別に彼が生んだわけではないのだが。とか、いくら親戚だからってその言い方は失礼じゃないのかい?とか、なんか色々と山本に言い返したいツナだったがグッと堪える。

どこでボロが出るか分からないし。今は黙っていたほうが賢明だろう。

ツナがそんなことを考えながら山本と話していると簡単な自己紹介が終わったのかハヤトがツナの所に駆け寄ってきた。