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ハヤト「ご主人様、いってらっしゃい〜」
リボ「ん?えらくご機嫌だな。いつもなら置いていくと泣くか騒ぐか不機嫌になるのに」
ハヤト「きゅ!ハヤトは心を入れ替えたのです!ハヤトはご主人様のために"番兎”になると昨日と決めたのです」
リボ「・・・・・番兎?」
ハヤト「はい、番犬の兎版で番兎です。昨日のテレビで立派な番犬が出ていたのでハヤトも目指すのです!」
リボ「・・・・・・そうか。頑張れよ」
ハヤト「頑張りますよー!だからご主人様は安心してお仕事してください」
リボ「分かった。じゃあ行って来るぞ」
ハヤト「行ってらっしゃいですよ〜」
バタン
ハヤト「はう〜番兎です。緊張しますねー」
(5分経過)
ハヤト「きゅー・・・やっぱりご主人様がいないと寂しいです・・・」
(10分経過)
ハヤト「きゅー・・・きゅー・・・」
(15分経過)
ハヤト「う・・・ひっく・・・きゅーーー・・・ご主人様ぁ・・・・」
バタン
リボ「・・・・・」
ハヤト「きゅ!ご主人さま!!」
リボ「やっぱり長時間の留守番は無理か・・・様子を見に帰ってきて正解だったな」
ハヤト「きゅ・・・ひっく・・・ごめんなさいぃ・・・番兎失格でした」
リボ「いや、いい。ほら一緒に出かけるぞ」
ハヤト「きゅ!はいです!」
(獄兎メモ)獄兎は長時間ご主人様から離れることはできません。
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クローム「ハヤト、ハヤト」
ハヤト「きゅ!クローム、どうしたんですか〜」
クローム「ハヤトのために絵本借りてきたの。読んであげる」
ハヤト「ありがとうございます〜、で何て絵本ですか?」
クローム「ハヤトに合わせて兎の絵本だよ。タイトルは・・・因幡の白兎」
ハヤト「はじめて聞くタイトルです。どんな絵本だろ?」
クローム「うーんと短く説明すると鮫を騙した兎が生皮をはがされる話?」
(ぴきーん)
クローム「は、ハヤトどうしたの!?」
ハヤト「きゅ・・・きゅyくゆyふいhdすあ」
骸「クフフフ・・・どうやらショックが激しすぎて固まってしまったみたいですね」
クローム「あ、骸様!ちょうど良いところに」
骸「大丈夫ですか、ハヤト君?」
ハヤト「きゅー・・きゅーー・・・皮をはがされるのは・・嫌です・・・(涙目)」
骸「どうやらハヤト君には早すぎたみたいですね。それじゃあ僕が変わりに兎の出てくる話をしてあげましょう」
クローム「流石です骸様。お願いします」
ハヤト「きゅー・・・」
骸「むかしむかしある森に一人の旅人がやってきました。しかし旅人は長い旅の疲れからか森の中で倒れてしまいます。それを見ていた森の優しい動物たちは旅人のために食べ物を用意してあげることにしました」
ハヤト「きゅー・・・すごいです」
骸「熊はその力を利用して魚を捕まえると旅人に与えました。狐はその知恵を使って木の実や食べられる植物を集めると旅人に与えました。しかしそれを見ていた兎は困ってしまいました。だって兎には魚を捕まえる力もなければ、木の実を集める知恵も無かったのです」
ハヤト「はうー・・・困ってしまいました」
骸「だから兎は旅人が用意した焚き火の中に自ら飛び込んだのです。自らの肉を旅人に食べさせるために」
ハヤト「きゅ・・・!」
(ぴきぴきーん)
骸「そうして旅人は兎の自己犠牲に感謝するとその肉を食べて無事に旅を続けることが出来たそうです」
クローム「・・・・骸様」
骸「どうしました、クローム」
クローム「ハヤト・・・固まって聞いてませよ?」
骸「えぇ!?は、ハヤトだいじょうぶですかーーー!!!???」
(獄兎メモ)獄兎はショックを受けると固まりす。 |
ハヤト「ごしゅじんさまーーーー」
リボ「どうしたんだ、ハヤト。そんなに慌てて」
ハヤト「ごめんなさい・・・ハヤト、掃除機を壊してしまいました」
リボ「壊した?どれどれ・・・」
(きゅいーん・・・・ごごごごご)
リボ「なんだ、普通に動くじゃないか」
ハヤト「さっきハヤトが持っても動きませんでしたよ?」
リボ「スイッチ入れてないのに動くわけ無いだろ」
ハヤト「すいっち?」
リボ「お前はそんなことに知らずに掃除機を使おうとしてたのか」
ハヤト「きゅー・・・お手伝い・・・したかったんです」
リボ「気持ちは嬉しいが掃除は俺がやるからお前は座ってテレビ見てろ」
ハヤト「きゅ・・・きゅ・・・お手伝い・・・」
リボ「・・・・・・・・・」
ハヤト「ご主人様の・・・お手伝い・・・・(うるうる)」
リボ「・・・(ため息)」
(ぎゅ)
ハヤト「きゅ!」
リボ「じゃあ、黙って俺に抱きしめられてろ」
ハヤト「こここここここコレがお手伝いなのですか!?」
リボ「ペットなんだから癒すのが仕事だろ」
ハヤト「ででででですが・・・・(赤面)」
リボ「ていうか・・・」
ハヤト「きゅ・・・!?」
リボ「お前に任せられる仕事が他に浮かばないんだが・・・」
ハヤト「きゅーーーー!ご主人様酷いですーーー(涙目)」
(獄兎メモ)獄兎は癒しが目的です。それ以上でもそれ以下でもありません。 |
ハヤト「ご主人様に手作り料理を作ってあげたいのです」
雲雀「無理」
ハヤト「きゅーーー!?“教えてください”ってお願いする前に断られてしまいましたーーー」
雲雀「だって包丁は危なっかしくって持たせられないし」
ハヤト「て、手でちぎります」
雲雀「塩と砂糖のみならずコショウや他の調味料もごちゃまぜにするし」
ハヤト「そ、それは間違えないように味見をします」
雲雀「味見し始めたら止まらないし」
ハヤト「こ、今回は我慢しますよー」
雲雀「肉の血がついただけで騒ぐし、魚は触れないし」
ハヤト「や、野菜だけの料理をつくれば・・・」
雲雀「・・・・やる気、だけは認めるけどね」
ハヤト「きゅーーー、お願いしますよーー」
雲雀「分かったよ・・・ちょっと待ってて」
(その日の夜)
リボ「で」
ハヤト「はい」
リボ「これが今夜の夕食か」
ハヤト「はい、ハヤトの手料理です」
ドンブリヌードル(みそ味)
ハヤト「3分待って隠し味にバターとコーンを入れると美味しいそうです」
リボ「・・・・・・・・・そうか」
ハヤト「じゃあ3分たったので入れますね〜・・・きゅ!」
リボ「どうした?」
ハヤト「スープこぼしてしまいました」
リボ「・・・気をつけろよ」
ハヤト「痛っ」
リボ「どうした?」
ハヤト「コーンの缶詰で指を切りました」
リボ「お前は・・・・もういい。何もするな、俺がやる」
ハヤト「きゅー・・・すいません」
(獄兎メモ)獄兎は基本的に役立たずです
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ハヤト「・・・・・・・・・・・・・・・・」
リボ「どうしたハヤト?眠たいのか」
ハヤト「ねむ・・・いです・・・」
リボ「ならベッドで先に横になってろ。なんなら運んでやろうか?」
ハヤト「きゅ!大丈夫です!!ご主人様は仕事中なのですからハヤトは一人で行きますよー」
リボ「そうか、じゃあ先に休んどけ」
ハヤト「はい、すみません。お先に失礼します・・・」
(とことことこ・・・・こてん)
リボ「こてん?何の音だ・・・」
(・・・・z・・・zzzzz・・・・)
リボ「・・・・・・・まさか、な)
(・・・きゅ・・・・zzzz・・・・)
リボ「・・・・・・・・・」
(とことことこ)
ハヤト「きゅ・・・きゅ・・・zzzz」
リボ「ハヤト・・・おい」
ハヤト「すぅ・・・すぅ・・・」
リボ「はぁ・・・まさか廊下で丸まって寝るとはな・・・」
ハヤト「すぴすぴすぴ・・・」
リボ「持ち上げても起きないし、呼んでも起きないし・・・」
ハヤト「きゅ〜・・・ごしゅじんさまぁ・・・・」
リボ「・・・・お前、絶対に野生じゃ生きていけないよな(呆)」
(獄兎メモ)獄兎は保護を受けないと生きていけません。 |
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